Wildlife Museum

北海道

観察地ガイド/沖縄・南西諸島

奄美大島

奄美大島の金作原原生林

島のほとんどは森林で覆われています。中央より南部の森林は深く、イタジイやタブノキなど亜熱帯の照葉樹林に覆われ、特に金作原原生林や湯湾岳(694m)付近の自然はよく残されています。
アマミノクロウサギは、主に南部に生息し、個体数は比較的多いようです。夜間の林道によく出てきます。リュウキュウイノシシは夜行性ですが、夕方、畑の周辺や林道で出会うこともあります。林道端や畑などに土を掘り起こした跡がよく見られます。ケナガネズミやトゲネズミも林道周辺に生息していますが、なかなか出会うことはできません。
林道周辺には、ルリカケス、アカヒゲ、ズアカアオバト、カラスバト、オーストンオオアカゲラ、オオトラツグミ、アマミコゲラ、アマミヤマガラ、アマミシジュウカラ、リュウキュウキビタキなどが留鳥として生息し、夏鳥としてリュウキュウアカショウビンが渡来します。夜行性のアマミヤマシギ、リュウキュウアオバズク、リュウキュウコノハズクなどは、夜の林道を車で走行していると、飛び出てきたり、鳴き声を聞いたりします。
サトウキビ畑や湿地、集落周辺では、ミフウズラ、シロハラクイナ、リュウキュウツバメ、リュウキュウヨシゴイなどが周年生息しています。

奄美大島南部の亜熱帯林

冬は林縁にシロハラが目立ち、サシバはサトウビキ畑などの耕作地に多く見られます。
北部の龍郷町にある奄美自然観察の森では、ルリカケス、アカヒゲ、サンコウチョウなどが観察でき、水場にやってくることもあります。 両性・爬虫類は種類が多く、トカゲ類はキノボリトカゲ、アオカナヘビ、ヘリグロヒメトカゲ、オオシマトカゲ、バーバートカゲなど、ヘビ類はハブ、ヒメハブ、ヒャン、アカマタなど、カエル類はイシカワガエル、オットンガエル、アマミハナサキガエル、オキナワアオガエル、ハロウエルアマガエルなど、イモリ類はシリケンイモリ、イボイモリなどが生息しています。これらは奄美諸島や沖縄諸島付近に分布するものが多く、八重山諸島とは異なります。
奄美大島には、固有種や希少な生き物が多く生息していますが、増えている外来種のマングースやノネコが生息を脅かしています。
夜間の道路では動物が飛び出してくることがあり、林道は未舗装、悪路があるので、自動車の運転には注意が必要です。


石垣島・西表島

石垣島南部の湿地

沖縄から400㎞以上も離れ、台湾に近い島です。石垣島の北部は亜熱帯の森林になり、南部は隆起サンゴ礁の平地になっています。西表島は島のほとんどが森林に覆われ、沿岸部に集落があります。
カンムリワシは西表島の方が多く、道路沿いの木や電線によく止まっています。サシバやチョウゲンボウは農耕地や周辺の林、海岸にはミサゴ、ハヤブサなどが見られます。リュウキュウコノハズクは個体数が多く、夜の道路や街灯によく出てきます。
イシガキヒヨドリ、イシガキシジュウカラ、リュウキュウキジバト、リュウキュウメジロなどは、民家や農耕地の周辺で見られます。森の中にはリュウキュウアカショウビンとリュウキュウサンコウチョウが夏鳥として渡来し、リュウキュウキビタキ、ズアカアオバト、オオクイナなどは周年生息しています。農耕地、牧場や周辺の林には、キンバト、ズグロミゾゴイなどが周年見られ、ギンムクドリ、カラムクドリ、シマアカモズ、タヒバリ類、ツメナガセキレイ、キガシラセキレイなどは、冬鳥または旅鳥として見られます。

石垣島北部の山地

水田や湿地、川などの水辺では、クロツラヘラサギ、ムラサキサギ、アカガシラサギ、コサギ、アマサギ、ダイサギ、リュウキュウヨシゴイ、セイタカシギなどのシギ類、シロハラクイナ、ヒクイナ、バン、ツバメチドリ、タゲリなどが見られます。
トカゲ類は、樹上で生活するキノボリトカゲ、光沢のある滑らかな鱗に覆われているサキシマスベトカゲ、緑色で尾の長いサキシマカナヘビ、国内最大のトカゲであるキシノウエトカゲ、最小のイシガキトカゲなどが生息しています。
カエル類は多く、森の中の湿地や平地の水田などに、アイフィンガーガエル、ヤエヤマハラブチガエル、ヤエヤマアオガエル、リュウキュウカジカガエル、オオハナサキガエル、コガタハナサキガエル、ヒメアマガエル、サキシマヌマガエルなどが生息しています。 人里周辺で見られるオオヒキガエルは外来種です。
ヘビ類も多く、サキシマハブ、サキシマスジオ、イワサキセダカヘビ、ヤエヤマタカチホ、サキシマアオヘビ、サキシママダラ、サキシマバイカダ、ヤエヤマヒバァ、イワサキワモンベニヘビ、ブラーミニメクラヘビ(ミミズヘビ)などが生息しています。
哺乳類は少なく、数種のコウモリ類、イリオモテヤマネコ、リュウキュウイノシシなどが生息している程度です。カグラコウモリ、ヤエヤマコキクガシラコウモリ、コユビナガコウモリなどの小型コウモリは、鍾乳洞や人工洞穴を昼間のネグラにしています。
クビワオオコウモリ(ヤエヤマオオコウモリ)は、昼間は林の樹冠部にぶら下がっていて、夕方になると飛んでいる姿をよく見ます。果実や葉などを食べたフンやペリットの落ちているところを探して、見つかったら付近を探してみるとよいでしょう。いなければ、夜になると採食にやってくるかも知れません。実や葉を好んで食べるオオバイヌビワやギランイヌビワは、平地の耕作地の周辺によく見られます。西表島だけに生息イリオモテヤマネコは、奥地よりも低地部のマングローブの湿地林や海岸林に多く生息しています。なかなか出会うことはありませんが、夜間道路で目撃されることもあり、足跡やフンならば湿地や水田周辺でよく見かけます。生息数は約100頭と言われています。唯一の大型哺乳類であるリュウキュウイノシシは、夜行性なのでなかなか見られませんが、掘り起こした跡や足跡は見られることもあります。

西表島のマングローブと奥深い山

動物のロードキルが多く、クイナ類やカメ類、ヘビ類、カエル類などをよく見かけます。ヤマネコが轢かれることもあります。車で走行しているときは、動物の横断に気をつけましょう。
注意しなくてはいけない生物には、サキシマハブ、クヌギカレハの幼虫、サソリ、トビスムカデ、ヤエヤママルヤスデ、ヤマビルなどがいます。
サキシマハブはハブよりも毒性と攻撃性が弱いと言われていますが、咬まれれば一大事です。クヌギカレハの幼虫(地元ではヤマンギと呼んでいる)も恐れられています。木の幹に付いていて、毒針に触ると激痛があり、数週間は痛みが続くそうです。サソリや大型のトビスムカデやヤエヤママルヤスデなどは、毒性は強くないものの刺されないにこしたことはありません。ヤマビルは、ジメジメしたところにいて、気がつかないうちに足元に吸い付いています。雨が降っていると活発に動きます。痛みはほとんどありませんが、出血が止まりにくくなり、後で化膿することがあります。
両島には固有種や天然記念物など貴重な種や、本土では珍しい種が多く生息しています。石垣島の於茂登岳(526m)や野底岳(282m)は気軽に登れ、西表島には縦断ルートがあり、亜熱帯の森を楽しむことができますが、短期間の旅行では簡単に野生動物を見つけることができないし、危険を伴うこともあります。野生動物を観察するツアーに参加する方が得策です。

PAGE TOP