Wildlife Museum

神奈川の野生動物

神奈川県は、都市化が進んでいますが、多くの野生動物が生息しています。ここでは哺乳類と鳥類の生息状況や現状を解説し、絶滅が心配される種、数の少ない種などを「レッドデータ動物」として、また、生態系や人の生活に影響を与える可能性の高い「外来種」をあげ、各種について解説します。

神奈川の哺乳類

神奈川の哺乳類相

神奈川県では、50種の哺乳類(ノイヌとノネコを除く)が確認されています。このうち、絶滅種は3種、外来種は8種です。(図①)
大型哺乳類では、ツキノワグマ、ニホンカモシカ、ニホンジカ、イノシシなどが生息し、中型では、テン、イタチ、アナグマ、タヌキ、キツネ、小型ではニホンモモンガ、ムササビ、ニホンリス、ヤマネ、カワネズミなどが生息しています。本州に生息しているもので神奈川県にいないものは、トガリネズミ類やヤチネズミなど、亜高山帯や高山帯に分布する種や、サドモグラとミズラモグラ、東北地方の一部に生息するイタチ科のイイズナくらいです(コウモリ類を除く)。これは、局地的に分布する種を除いて、神奈川の最高峰が1700m(丹沢蛭ヶ岳1673m)に満たないためと考えられます。高標高域に生息しているオコジョについては、かつては丹沢にも生息していましたが、現在は絶滅したものと考えられます。


コウモリ類は13種が記録されていますが、チチブコウモリ、ウサギコウモリ、モリアブラコウモリのように一度だけの記録や、キクガシラコウモリのように最近の記録のない種もあります。ほとんどが丹沢と箱根で記録されていますが、かつては鎌倉や三浦半島に、多数の洞穴性コウモリが生息していました。現在では、少数のユビナガコウモリが確認されているだけですが、この地域には、防空壕など戦時中に作られた多くの人工洞穴あるので、今後見つかる可能性があります。
神奈川県の哺乳類は、丹沢山地と箱根山地、北部の小仏山地周辺に多くが生息しています。これらの山域を比較すると、丹沢山地が最も多く生息しています。






丹沢と箱根の哺乳類を比較すると、図②のようになります。
コウベモグラは仙石原だけに少数が生息し、本種の太平洋側の東限地のひとつとなっています。モリアブラコウモリは、箱根で一度だけ確認されていますが、丹沢でもそれらしい個体が確認されているので、今後見つかるかも知れません。ニホンモモンガ、ヤマネ、カモシカなどは、かつては箱根にも生息していたと考えられますが、現在、確実な生息情報はありません。
箱根のシカは、かつては姿を消していましたが、分布の拡大により1995年以降に確認されるようになったと言われています。丹沢とその周辺ではシカの個体数が増加し、最近では、山地から離れた丘陵地や酒匂川河口付近にまで現れるようになりました。

神奈川県は、ほぼ中央を流れる相模川の西側と東側ではだいぶ環境が異なります。西側は丹沢や箱根の山地、大磯丘陵など自然に恵まれた地域ですが、平野の広がる東側は、都市化が進んでいます。東側の端に位置する三浦半島や鎌倉などは、いまでも比較的よく緑地が残されていますが、周辺は住宅地や道路整備が進み、孤立しています。このため、近年まで見られていたキツネやムササビなどは、姿を消してしまったようです。平野部では、イタチ、タヌキ、ノウサギ、ネズミ類などが、細々と生き残っている程度です。在来種が減少する一方で、外来種は増加しています。クリハラリス(タイワンリス)やアライグマは鎌倉や藤沢、三浦半島周辺で増え、ハクビシンは山地から平野部の住宅地まで広く分布しています。アライグマは、丹沢や箱根、北部の山地でも増加中です。

さらに詳しい内容
かながわの自然図鑑3「哺乳類」 県立生命の星・地球博物館編、有隣堂をご覧下さい

> 神奈川の鳥類

PAGE TOP